夏の熱中症ばかりではない!?冬だって寒さに注意!!
寒さで命を落とす人数は熱中症と変わらない?
≪書籍『あたたかい暮らしのヒミツ』~著作 旭化成建材の快適空間研究所より~≫
寒さを感じる季節になってきました。夏の熱中症に注意をしても、冬の寒さはそれほど注意していない人が多いのではないでしょうか?
実は、低体温症で亡くなる人は年間1000人を超えています。熱中症と比べると、あまり変わらない、あるいはむしろ多いというデータも
あると言われています。寒さによる低体温症は屋外ばかりとは限りません。3割が住宅内で発生するという論文もあるそうです。
では、住宅内のどこにリスクがあるのか?
(1)「寝室」などの低温になりがちな部屋
低温になりやすい寝室では、特に高齢者などに低温によって体の体温、特に心臓や脳に影響する深部体温が下がり、
低体温症を引き起こすリスクが生じる。
(2)「洗面室」や「浴室」、「トイレ」など暖房している部屋と温度差が生じやすい部屋
室温の高い部屋から低い部屋に移動するときの急激な温度差によって血圧が大きく変化するヒートショックは、洗面室や浴室、
トイレで起きるリスクが高い。なお、寝室も、起床時に布団から出たときにヒートショックを引き起こすリスクがある。
室内が寒い部屋というと“水回り”といわれる洗面室やトイレなどを思い浮かべるものですが、意外に寝室が低体温症のリスクが高いというのです。寝室は日中使用しないので室温が低く、暖房を使わずに布団に入って寝ている間に、室温が下がると同時に呼吸で吸い込む空気の温度も下がり、継続的に身体が冷えることが要因です。特に高齢者は、体温調節の機能が落ちてくるうえ、断熱性能の低い古い一戸建てに住んでいて、もったいないと暖房を使わないことが多いので、重症化するリスクが高くなります。熱中症と似たような構図になっています。
また、暖房効率が悪いと、使っている部屋だけ暖房を入れて光熱費を節約しようとしがちなので、住宅内に温度差ができて、ヒートショックのリスクが高まります。加えて、日本の住宅は南側にリビングを、北側に洗面・浴室やトイレを配置することが多いので、暖かいリビングから寒い洗面室といった温度差がよりできやすい、という要因もあるようです。
冬の快適な室内環境には法則がある
冬に快適に暮らせるために、室内の温熱環境をどのようにしたらよいのでしょう?
○室温:20~22℃
○湿度:40~70%
○室内の表面温度:空気温度マイナス2度以上
温度計や湿度計を使って、温度や湿度を暖房器具や加湿器などで調整することが必要です。