筋力低下

舌は非常に強い筋肉でできていて、加齢とともにこの舌の筋力は徐々に衰えていきます。これを「舌の老化」と言います。舌が衰えることによっての「舌の老化」のサインがいくつかあります。

舌の筋力が弱くなると、食べ物を口から喉へと送り込む力が弱くなります。その結果、食事を飲み込むのが難しくなり、誤って食べ物が気道に入ってしまうこと(誤嚥)があります。これが繰り返されると、肺炎を引き起こす原因にもなります。

舌は発音にも欠かせない役割を果たしていますが、舌の筋力が低下すると、特に「さ行」や「た行」といった舌を使う音がうまく発音できなくなることがあります。このため、話し方が不明瞭になることがあります。

舌には味覚を感じ取る「味蕾(みらい)」がありますが、舌の筋力低下が影響すると、舌の表面がうまく動かなくなり、味蕾との接触が減少します。これにより、味が感じにくくなり、食事の楽しみが減ってしまうこともあります。

舌の筋力低下は加齢とともに自然に進行します。舌は単に「食べる」「話す」ための器官だけでなく、全身の健康にも影響を与える重要な部分ですので、意識的にケアしていきましょう。