「銀歯」

歯を削った後、詰め物や被せ物をすることがありますが、粘土みたいなもので型取りしてから作る銀歯と、削ってすぐに詰められる銀歯があります。

(削ってすぐに詰められる銀歯は2016年4月の改訂で健康保険での治療がなくなっています。)

粘土みたいなので型取りしてから作るインレーやクラウンの銀歯は貴金属でできていますが、削ってすぐに詰められるものはアマルガムといい、約50%が水銀でできています。

水銀は炭素と結合すると毒性が強い有機水銀になりますが、歯科治療では銀、銅、錫などと混ぜますので、それほど心配はいりません。日本では『歯科の詰め物に使用される水銀は構造的に安定しており、身体に害はない』とされています。

しかし、水銀は、神経毒性の高い重金属なのでアルツハイマー型認知症や自閉症等の疾患との関連性が指摘されています。実際、歯にアマルガム充填のある人とない人では、水銀の血中濃度が通常の6倍だったという報告もあります。

水銀は25度を超えると沸騰するため、歯に詰められたアマルガムも熱い食べ物や飲み物によって、アマルガムに含まれている水銀が気化してしまう恐れがあります。

例えば、昔の水銀体温計の水銀を誤って飲み込んだとしても消化器官からはほとんど吸収されないとのことですが、気化したのを吸い込むと簡単に蓄積されてしまうそうなのです。

日本では、2016年4月の改訂で健康保険の治療項目から「アマルガム充填」は外されたので、保険治療で用いることができなくなったことによって、現在ではアマルガム治療はおこなっていません。

 

水銀が危ないとは言え、詰め物の銀歯なのでそんなに大きさはなく、例えその半分に水銀を含んでいたとしても、

その内の気化する量は少量なので過度に恐れる必要はありません。

それよりも、認知症や生活習慣病の予防には、定期的な歯科健診と毎日の口腔ケアをしっかり行うことが大切です。