あなたの「舌の位置」は正しいですか?
ふだんあまり意識しない「舌の位置」。
でもじつは、体の調子を整えるうえで、
とてつもなく重要な意味をもっているとの
専門家の方が言う健康になるための「舌の位置」とは?
舌の位置、正しいですか?
上あごにくっつけた舌を下あごにぶつけ、カコンと音を鳴らす遊びがある。幼いころこの「舌を鳴らす」遊びを楽しんだ人もいるかもしれない。 いま、試しに舌を鳴らしてみてほしい。 舌を上あごにくっつけ、下あごに向けて離す直前、そこでストップ! 「舌先がその状態で、なおかつ舌が根元のほうまで上あごについているのが『理想的な舌の位置』です。このテストをやってみて『舌をかなり後ろに下げなくちゃいけないな』と思った方は、『低舌位』、すなわち、望ましくない舌の位置である可能性が高いのです」(みらいクリニック院長で内科医の今井一彰さん)
「正しい舌の位置」について知ろう。
舌先を前歯の付け根につけ、上にすべらせていってください。そうすると、傾斜が急になって舌がスッと上にあがるところがあると思います。そのあたりに舌先がつき、舌全体は根元のほうまで上あごにくっつくのが、理想的な舌の位置です。それで息が苦しいという方は、舌の半分くらいでもいいので上あごにくっつけてください」 そのうえで、上唇と下唇がくっついて口が閉じ、歯は軽く噛み合っているのが望ましいとの事です。(みらいクリニック院長で内科医の今井一彰さん解説する)
舌が「下がる」と危ない
まずなにより「正しい舌の位置」は、風邪やインフルエンザといったウイルスや細菌による病気を強力に防ぐ効果がある。
「舌の位置が下がることの大きな問題点は、『口呼吸』になってしまうことです。舌が下がると無意識のうちに口が開き、そうするとどうしても口呼吸になってしまう。たとえ起きているときは鼻呼吸を意識できても、寝ているときに口呼吸になる可能性が高い。口呼吸は恐ろしいものです。私たちは一日に1万L以上、約15kgもの空気を吸っています。当然、一緒に細菌、ウイルス、ほこり、カビなどの異物も吸い込んでいる。そうした異物を除去する機能をもつのが、鼻です。鼻毛や粘液で異物を濾過し、その奥にある『扁桃リンパ組織』という組織でも異物に対応する。だから鼻で呼吸すると、風邪を引きにくくなる。鼻は本来的に呼吸のための器官『呼吸器』なんです。一方、口は『消化器』です。人間は進化の過程で口と気管がつながり、たまたま口で呼吸できるようになりましたが、本来的に口は呼吸器ではありません。口には異物を除去する機能がなく、口呼吸すると、異物をそのまま吸い込んでしまう。さまざまな不調が出るのは当然です。舌の位置を正し、口呼吸をやめることは、風邪やインフルエンザ、肺炎などを防ぐのに大きな働きをするのです。」
~みらいクリニック院長で内科医の今井一彰さん解説~
今年は早くからインフルエンザが流行しています。舌の位置を少し意識してみようと思います。