「さ」からはじまる歯科専門用語
サージカルステント | 止血、患部の保護、固定などの目的で使われる装置の総称。もしくはインプラント(人工歯根)の手術の際、インプラントを埋め込む位置を確認するために使われる、透明樹脂のマウスピースのような型のこと。 |
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再石灰化(さいせっかいか) | 唾液中のカルシウムやリンが歯に沈着し、脱灰が起きた部分を修復する働きのこと。脱灰とは、口の中の酸が歯のエナメル質(歯の一番表面の組織)の内側からカルシウムやリン酸などを溶かし出し、初期虫歯の状態になること。 |
サイナスリフト | インプラント(人工歯根)の挿入スペースを確保するために、鼻の横にある上アゴの空洞部分(サイナス)へ、骨や骨補填材を移植して、上アゴの底の部分の粘膜を押し上げ、アゴの骨量を増やす治療法。上顎洞底挙上術(じょうがくどうていきょじょうじゅつ)とも呼ばれる。 インプラントへ→ |
さし歯 | 虫歯などの治療後、残っている歯の根の部分に金属の土台を埋め込み、その上に取り外しができないぴったりはまる人工の歯をかぶせたもの。専門用語では継続歯(けいぞくし)。歯が抜けてなくなってしまっている場合には入れることができない。 |
在宅診療(ざいたくしんりょう) | 歯科の往診。体が不自由、病気で寝たきりなど、歯科医院への通院が難しい患者さんのいる家庭、施設、医院へ歯科医師、歯科衛生士が出むき診療を行うこと。訪問歯科診療とも呼ばれる。 訪問歯科診療→ |
「し」からはじまる歯科専門用語
CR | コンポジットレジンの略。前歯や奥歯の小さい虫歯治療などに使われる白いプラスチックの詰め物で、複合レジンとも呼ばれる。保険適用。 |
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CK(しーけー) | 筋肉にたくさん含まれていている酵素の一種、クレアチンキナー ゼのこと。急性心筋梗塞、筋ジストロ フィー症など筋肉に障害がある病気のときは、血液中のクレアチンキナー ゼが著しく上昇する。 |
C1 | 歯の表面を覆う、エナメル質が虫歯になっている状態。 |
C2 | 歯の表面を覆うエナメル質を超えて、歯の内部の象牙質が虫歯になっている状態。 |
C3 | 歯の表面を覆うエナメル質、歯の内部の象牙質を超えて、歯の神経(歯髄:しずい)まで虫歯が進んでいる状態。 |
C4 | 虫歯によって歯がほとんど失われ、歯の根だけ残っている状態。歯を抜かなければならない場合が多い。 |
シーラント | 虫歯になっていない奥歯の細かい溝に、レジン(プラスチック のような樹脂)をコーティングし、虫歯になりにくくする処置のこと。 虫歯治療へ→ |
歯科衛生士(しかえいせいし) | 歯科医師の指導のもと、診療の補助や歯科保険指導を行う専門職。幅広い知識と高い技術力が要求される。歯科衛生士になるには国家資格が必要。 スタッフ紹介→ |
歯科技工士(しかぎこうし) | 歯の詰め物やかぶせもの、入れ歯、矯正装置、マウスガードなどの製作を担う歯科医療の技術専門職。緻密で熟練した技術が求められる。歯科技工士になるには国家資格が必要。また、歯科医師の指示が無ければ技工を業と出来ない。 |
歯科助手(しかじょしゅ) | 患者さんが安心して診療を受けられるよう心を配り、診療の介助をするアシスタントのこと。歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士らとともに歯科医療を支える重要な役割を担う。 スタッフ紹介→ |
歯科用セメント | 詰め物やかぶせ物を歯に接着したり、削った歯の穴を埋める際に使われる治療用材料の一つ。 |
歯間(しかん) | 歯と歯のすきまのこと。 |
歯冠(しかん) | 歯ぐきから出ている歯の部分。 |
歯間ブラシ | 歯と歯のすきまを磨く小さな歯ブラシ。 |
歯牙(しが) | 歯のこと。 |
歯牙骨折(しがこっせつ) | 歯牙破折(しがはせつ) |
歯牙脱臼(しがだっきゅう) | 転倒、交通事故、けんかなど、顔面を強打したときに歯が骨から離れたり抜けたりすること。 |
歯牙破折(しがはせつ) | 転倒、交通事故、けんかなど、顔面を強打したときに歯の表面や根っこが部分的に欠けたり、折れたりすること。 |
歯牙漂白(しがひょうはく) | 薬品、レーザー光線などを使って歯を白くすること。ホワイトニングやブリーチングなどとも呼ばれる。 審美治療→ |
色素沈着(しきそちんちゃく) | 通常はピンク色の歯ぐきに、黒や茶褐色のシミや斑点ができること。多くの場合、生理的なもので異常はない。ごくごくまれに消化器系の病気や悪性腫瘍(ガン)などの場合も考えられる。 |
歯頚部(しけいぶ) | 歯と歯ぐきのさかい目部分のこと。 |
歯垢(しこう) | 食べかすに虫歯や歯周病を引き起こす口の中の細菌が結合したもの。プラークとも呼ばれる。 |
歯根(しこん) | 歯ぐきに埋まっている歯の部分。 |
歯根吸収(しこんきゅうしゅう) | 歯の根っこ部分のセメント質や象牙質が溶けて歯が抜けやすくなってしまうこと。乳歯の生え変わり時期に起こる生理的歯根吸収と外傷や歯の根の炎症などがある。 |
歯根のう胞(しこんのうほう) | 進行した虫歯などが原因で歯の根の先に膿(うみ)の袋ができ、炎症を起こす病気。 |
歯根膜(しこんまく) | 歯根(歯の根っこ)の周囲を取り巻き、歯と歯槽骨(歯ぐきや歯の根を支える骨)を結びつける膜。 |
歯式(ししき) | 歯が並んでいる状態を、数字やアルファベットを用いて簡単な式で表わしたもの。 |
歯質(ししつ) | エナメル質、象牙質、セメント質など歯をつくっている成分のこと。虫歯はこれらの歯質が口の中にいる細菌(ミュータンス菌)の作り出す酸によって溶かされていく病気。 |
歯周病(ししゅうびょう) | 歯垢(プラーク)が歯と歯ぐきの間の溝(歯肉溝)にたまり炎症を起こす病気。歯ぐきが腫(は)れる「歯肉炎」と、それが悪化した「歯周炎」の総称。 歯周病治療→ |
歯周ポケット | 歯と歯ぐきのすき間のこと。すき間の深さで歯周病の進行度が診断される。 |
歯周ポケット掻爬(そうは) | 歯の根についた歯石や細菌に侵された歯肉の一部を取り除いて歯周組織の炎症を改善し歯周ポケット(歯と歯ぐきのすき間)を浅くする処置のこと。PCURとも言う。 |
歯髄(しずい) | 俗に歯の神経と呼ばれる、痛みを感じる感覚受容器や細い血管、リンパ管などが集まっている組織のこと。歯に酸素や栄養を運んだり、排泄物を取り除いたりする。 |
歯髄炎(しずいえん) | 歯髄(歯の中の神経や血管などの組織)が炎症を起こす病気。 |
歯石(しせき) | 歯垢(プラーク)に唾液中のカルシウムやリン酸が付着し、かちかちに固まったもの。一度ついてしまった歯石は歯ブラシでは除去できないため、歯科医院で取ってもらうことが必要。 予防歯科へ→ |
歯槽骨(しそうこつ) | 歯ぐき(歯肉)や歯の根(歯根)を支える骨。 |
歯槽膿瘍(しそうのうよう) | 虫歯が進んで歯の根の先まで感染し、膿(うみ)の袋が出来て炎症を起こす病気。根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)とも言われる。 虫歯治療へ→ |
支台歯(しだいし) | 歯のない部分にブリッジや入れ歯を入れる際、支えとなる歯のこと。 |
試適(してき) | できあがった入れ歯などが、ぴったり合い、きちんと噛めるかどうかを見るために、口の中に仮セット(仮付け)して診査してみること。 |
歯肉(しにく) | 歯ぐきのこと。 |
歯肉炎(しにくえん) | 歯ぐきが炎症を起こして腫(は)れたり、出血したりする病気。歯肉炎が悪化して歯茎の奥まで炎症を起こすと歯周炎になる。 歯周病治療→ |
歯肉溝(しにくこう) | 歯と歯ぐきのすき間のこと。歯周病などで溝が深くなったものを歯周ポケットと呼ぶ。 |
シャープニング | 歯についた歯石などを除去する、スケーラーと呼ばれる器具を研磨する(研ぐ)こと。 |
主訴(しゅそ) | 患者が訴える病気の主な症状のこと。 |
小窩(しょうか) | 歯の噛み合せ面にできる、ごく小さなくぼみのこと。 |
笑気(しょうき)ガス | →笑気鎮静法(しょうきちんせいほう) |
笑気鎮静法(しょうきちんせいほう) | 笑気(低濃度の亜酸化窒素)を酸素と混合して鼻から吸入し、治療の際の緊張感や不安感をやわらげる治療機器の一つ。麻酔ではない。 |
小臼歯(しょうきゅうし) | 真正面から4番目と5番目の永久歯。上下左右に各2本ずつある。 |
小帯(しょうたい) | 頬(ほほ)および唇の内側の粘膜と歯ぐきとの間に縦に走る、細いひだのような部分のこと。上唇小帯(じょうしんしょうたい)、下唇小帯(かしんしょうたい)、頬小帯(きょうしょうたい)、舌小帯(ぜつしょうたい)がある。 |
小児歯科(しょうにしか) | 虫歯・歯周病・かみあわせ異常の予防や治療など、歯と口の総合的な健康管理を通して、子どもたちの健やかな発育をサポートする歯科の診療科目の一つ。 |
歯列(しれつ) | 上の歯と下の歯が、歯ぐきの上に並んでいる状態のこと。永久歯列(えいきゅうしれつ)、乳歯列(にゅうしれつ)、混合歯列(こんごうしれつ:乳歯と永久歯が混ざった歯列)、上顎歯列(じょうがくしれつ)、下顎歯列(かがくしれつ)などがある。 |
歯列弓(しれつきゅう) | 前歯の先端から奥歯(臼歯)の外側にかけて、弓の形を描いている曲線のこと。 |
神経(歯の神経) | 歯髄(しずい)と呼ばれ、痛みを感じる感覚受容器や細い血管、リンパ管などが集まっている組織のこと。歯に酸素や栄養を運んだり、排泄物を取り除いたりする。 |
診察(しんさつ) | 医師と患者が直接対面し、医師は患者の訴えを的確に受け止めて必要と思われる検査を行い、患者は医師からその結果の説明を十分に受けること。 |
審美歯科(しんびしか) | 虫歯や歯周病など、歯の病気治療・機能回復とともに、口元の総合的な健康美を追求する歯科医療のこと。 審美治療→ |
浸麻(しんま) | 浸潤麻酔法(しんじゅんますいほう)の略。手術をする場所へ注射し麻酔薬を浸み込ませる、体への負担が軽い局所麻酔の一つ。歯科治療に最も多く使われる麻酔法。 |
診療報酬明細書(しんりょうほうしゅうめいさいしょ) | 医療機関側が患者さん一人一人の一ヵ月分の診療内容をカルテを元に点数に換算し、かかった医療費を市町村や保険組合に請求するための明細書のこと。通常レセプトと呼ばれる。 |
診療録(しんりょうろく) | カルテのこと。カルテには検査結果などの医療記録や診療情報が記載されている。 |
G | Gingivitis (歯肉炎:しにくえん)の略。歯肉炎とは、歯ぐきが炎症を起こして腫(は)れたり、出血したりする病気。 |
GBR(骨組織誘導再生法) | 特殊な再生誘導膜(GBR膜)を使って、歯の骨を再生する治療法。 |
GTR(歯周組織誘導再生法) | 特殊な再生誘導膜(GTR膜)を、歯周病などによって溶けた歯の骨のまわりに埋め込み、歯を支える歯周組織を再生する治療法。 |
GP | 歯ぐきの形態異常や歯周病などによって形が崩れた歯ぐきを、できるだけ自然の形を保存しながら整える歯肉整形術(gingivoplasty)のこと。 |
次亜塩素酸ナトリウム | 歯の根の治療の際、消毒、止血などの目的で使われることがある、殺菌作用の高い薬剤のこと。 |
磁性アタッチメント | 磁石の吸着力で入れ歯を安定させる装置。 |
上顎前突症(じょうがくぜんとつしょう) | 下の前歯に比べ、上の前歯が前に出ている状態。(出っ歯) |
助手(じょしゅ) | 患者さんが安心して診療を受けられるよう心を配り、診療の介助をするアシスタントのこと。歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士らとともに歯科医療を支える重要な役割を担う。 スタッフ紹介→ |
人工歯(じんこうし) | 事故や病気(虫歯や歯周病など)によって失われた天然歯に代わって、その機能を回復させる目的で作られた歯のこと。 |
「す」からはじまる歯科専門用語
水平埋伏智歯(すいへいまいふくちし) | アゴの中で横に倒れて埋まったままの状態になっている親知らずのこと。 |
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スケーラー | 歯や歯の根についた歯垢や歯石を除去する際に使用される細長い治療器具。 |
スケーリング | 歯についた歯垢(プラーク)や歯石を除去すること。 予防歯科へ→ |
スタディモデル | 診断や治療計画に使われる歯の研究用模型。 |
ステント(サージカルステント) | 止血、患部の保護、固定などの目的で使われる装置の総称。もしくはインプラント(人工歯根)の手術の際、インプラントを埋め込む位置を確認するために使われる、透明樹脂のマウスピースのような型のこと。 |
スピーチエイド | 口蓋(うわあご)の組織の欠損部をふさぎ、発音の際に鼻から息が漏れるのを防いで、言語能力を回復させるために用いる発音補助装置のこと。 |
スピルウェイ | ものを食べる際、かみ砕いた食べ物が噛み合せ部分から、自然と流れ出る通路のこと。この食べ物の流れには、口の中に残った食べ物を取り除く歯の自浄作用や歯ぐきのマッサージなどの役割がある。 |
スピロヘータ | 細長いらせん状をした微生物。口腔スピロヘータと呼ばれるものは、歯周炎や歯周病患者の口の中によく見られる。 |
スプリント | 顎関節治療に使われる、マウスピースのようなプラスチック装置。 |
3DS | デンタル・ドラック・デリバリー・システムの略称。歯の表面についているバイオフィルム(細菌の膜)をPMTC(歯のクリーニング)によって取り除いたあと、抗菌剤の入ったプラスチックのトレー(マウスピ-ス)を5分ほど歯にはめて虫歯や歯周病を予防する方法。 |
3mix(スリーミックス) | 虫歯を取り除いた歯の穴に、3種類の抗菌剤を混ぜ合わせた薬剤を詰め、残った歯への虫歯の感染を防ぎ、できるだけ歯や歯の神経の保存を目指す治療法。 |
「せ」からはじまる歯科専門用語
切歯(せっし) | 上下の一番真中の永久歯4本と、そのそれぞれ隣にある永久歯4本のこと。 |
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切歯管のう胞(せっしかんのうほう) | 鼻と口をつなぐ管(くだ)にできるうみの袋のこと。鼻口蓋管のう胞(びこうがいかんのうほう)とも呼ばれる。 |
セメント質 | 歯根部(歯の根っこ)の表面を覆う歯周組織のこと。 |
セラミック | 歯のかぶせ物に使われる七宝焼に似た陶材のこと。天然歯の色に近い。割れたり欠けたりする可能性はあるが、金属アレルギーの心配がない。保険の適用はなし。 審美治療→ |
先天性欠如(せんてんせいけつじょ) | 親知らずを除いた通常28本の歯(乳歯は20本)の歯が、1~2本生えてこないこと。乳歯より永久歯に多く見られる。 |
先発医薬品(せんぱついやくひん) | 新しい効能があり、臨床試験によってその有効性や安全性が十分に確認され、国に承認された薬のこと。先発医薬品の特許が切れた後、先発医薬品と成分や規格が同一であるとして、臨床試験などを省略して承認される薬は、後発医薬品(こうはついやくひん)と呼ばれる。→後発医薬品 |
舌側化咬合(ぜっそくかこうごう) | アメリカ人のドクターパウンド(1970)が提唱した、入れ歯をつくる際に基礎となるかみ合わせ理論の一つ。 |
舌(ぜつ) | ものを飲んだり、噛んだり、飲み下したり、またはしゃべったりする際になくてはならない、味覚や触覚などを持つ口の中の感覚器のこと。 |
舌炎(ぜつえん) | 舌が赤く腫れたり、できものができたりする病気。 |
舌苔(ぜつたい) | 歯垢(プラーク)とほぼ同じ成分で、食べかすと口の中の細菌が結合し、舌の表面に白や黒、黄色っぽい苔のようなものを付着させること。消化器系の病気や口腔内を不潔にしていると舌苔になりやすい。 |
前装冠(ぜんそうかん) | 目に見える部分を歯の色と似通った白色の材質(アクリル樹脂や陶材)でつくるかぶせもの。 |
「そ」からはじまる歯科専門用語
総義歯(そうぎし) | 自分の歯が1本も無く、歯全部が入れ歯になっているもの。 入れ歯→ |
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叢生 (そうせい) | 八重歯(やえば)、乱ぐい歯など、歯が重なり合っている状態。 |
咀嚼(そしゃく) | 物をよく噛み砕く動作のこと。 |
象牙細管(ぞうげさいかん) | 歯の象牙質にある細い管。 |
象牙質(ぞうげしつ) | 歯のエナメル質(一番表面の組織 )の下にあり、歯髄(歯の中の神経や血管などの組織)を取り囲む組織。 |